いわきおどりに参加してくれました

 いわきはもう朝晩涼しく、秋の気配を感じます。
 関東はまだ、連日の猛暑で大変だと伺いました。皆様お体大丈夫ですか?

 一昨日8/8に開催されたいわき最大の祭り『いわきおどり』に、同窓会の大塚さんと大塚さんの友人のリンさんが参加して下さいました。いわき市民が一番心待ちにしている夏祭りで、1万人の踊り手が、1部~4部に分かれ、いわき駅前大通りを夜の9時まで延々と踊り続けます。唄い手4人が交代しながらの生演奏です。(踊りの耐久レースみたいです…)

 壁新聞の子供達と、『いわきの子供達に本をおくるプロジェクト』で沢山の本と紙芝居を贈ることができたボランティア団体〝いわきおやこ劇場”の合体チームで、大塚さん、リンさんが踊って下さいました。1部は市長や行政関係、婦人会などの団体が多く、3歳から小学生で構成されているチームはめずらしいようで沿道につめかけた大勢の観客の声援を、一斉に集めておりました。



 私の勤務先は今年も、夏休みの間「甲状腺検査」会場となっており、壁新聞の子供達も前日検査を受けに来ており、おどりの休憩時間は、子供達の間で検査時の武勇伝が熱く語られておりました。
「泣かないで検査を受けるとアイスが買ってもらえる」「お昼にマックに連れて行ってもらえる」など、これから検査を受ける予定の友達に、取引のノウハウを伝授しているようでした。

 検査委会場では、連日子供達の阿鼻叫喚で大騒ぎです。まったく痛みの無い、超音波検査なのですが、雰囲気がそうさせるのか、逃げ出したり(逃げる子供に廊下で何度もタックルを食らう吉田)床に這いつくばって泣きわめく子供達で溢れかえっています。
 子供達の恐怖心を少しでも紛らわそうと、大塚さんから贈って頂いた折り紙や、七夕飾り、沢山の本を検査会場に置いてコーナーをつくったところ、福医大スタッフの皆さんがとても感動していました。



 検査スタッフが仕切りカーテンのてっぺんに取り付けたアニメキャラクターの切り抜きを見て、大塚さんが一言。「高過ぎて見えないよ…」

 先日、同窓会の西山さんが贈ってくれた沢山の画用紙とペンで、嗚咽を漏らしながら絵を描いている子供達を目にします。子供達なりに恐怖心と闘っているのでしょう。
 いわき通信を書き始めた頃一緒に活動していた子供達も皆、4年という月日の流れで中学生になりました。現在のメンバーは壁新聞第2世代の子供達です。おどりの当日、大塚さんとなんと4年間文通をしている大平君が、久しぶりに参加してくれました。大平君も今年中学生になりました。二人の初のご対面に、胸が熱くなってしまいました。

 「リンさんは、ハーバードの学生で今早稲田大学に留学中なんだよ」と大塚さんが紹介すると、なぜ日本語がしゃべれる?なぜいわきにいる?なぜいわきおどりがうまい?等、子供達の頭に?がたくさん浮かんでいました。
 いわきおどりは、手足がバラバラの振付で結構難易度が高く、出場チームは必ず2回の研修を受けなければなりません。
 「リンさん練習なしの一発本番で、いきなり踊れてる!」とボランティア団体のお母さん達が驚いていました。
 更には「英語の本を読み聞かせして欲しい」「仲間になって欲しい」とスカウトまでしていました(仲間ってなんだろう?)。すっかりメンバーの一員で溶け込んでいるお二人の様子は、写真を見て頂ければおわかりでしょう。

 来月、福島原発事故による避難区域の一部が解除され、一時帰還だけでなく居住が可能になります。しかし店が無くインフラも急遽復旧させたばかりで、飲料水の検査も未実施とのこと。時期早々の帰還指示に、避難中の市民の頭にも???がいっぱいです。
 お参りに行けないので、お墓をいわきに移した方が多くいらっしゃいます。検査会場で泣きながら絵を描いている子供同様、4年の歳月の中で、大人達もそれぞれ葛藤し、折り合いをつけようとしているのでしょう。

 東北は今週13日からお盆になります。短い夏を惜しむというより新学期が関東より早いので、多くの行事が一緒くたに実施されます。灯篭流しと花火大会が同時開催です。しんみりできません。なぜかフラダンスも登場しちゃうし…

 炎天下の中、説明会資料の配布、本当にご苦労様でした。先生方、同窓会の皆様のご尽力に頭が下がる思いです。大塚さんから『いわき通信』の売り上げと先生からの御心遣いを預かりました。先生方、同窓会の皆様、本を世に送り出して下さった多くの方々の絆がつまった封筒が、熱くて重くて胸が張り裂けそうになりました。

 早速、郵便局で通帳を作りました。支援を必要とする福島の子供達の声に応えるべく、管理活用させていただきます。 メールで申し訳ございません。この場をお借りして心よりお礼申し上げます。ありがとうございます。




  帰還区域で綿の収穫に行って参りました。

 大変ご無沙汰しております。
 松岡先生、オープン大学院お疲れ様でした。盛りだくさんの内容を見て、企画、ご準備のご苦労がひしひしと伝わって参ります。

 以前、帰還区域での綿の収穫に参加する旨をお知らせいたしました。10/25、壁新聞の子供達とそのご父兄の方々と、バスで行って参りました。



 春に、ボランティアさん達が、風評被害などで作付けをしない畑を利用して、綿の種を植えました。勤務先でも子供達と、駐車場の植え込みに囲いをつくり、綿を育てていたのですが、これまた別のボランティアさん達が、枯れ木(に見えるんです)だと思ってみんな抜いてしまいました。このいきさつを話した所「広野町の畑においで」と誘って下さいました。

 畑は除染済みといえども、今回は、参加、不参加がはっきりした活動となりました。
 松岡先生が春に視察された久之浜地区のすぐ隣町です。参加した中でも小学1~2年生は、震災時3歳ぐらいで皆この町を訪れた事がありません。
 「きたことないよ」「はじめてこっちの道とおった」「なんていう町だっけ」みんなバスの窓に顔をへばり付けて、見慣れぬ町を伺っていました。

 4年の歳月は隣の町を、こんなに近くて、こんなに遠い町にしてしまいました。

 「放射能は見えねえから、あんま(あまり)アブねえって気がしねえんだけどよ、野生のイノシシ、ありゃこわいわ、仲間もみんな言ってっから」と呟く運転手さん。このあと迷子になりました。

 勤務先から渡された行程表を見せてもらうと〝広野町の川 観音様付近”というアバウトな住所とともに、線と丸だけのシュールな地図が添えられていました。広野の川は、すぐ海に繋がっています。ナビを辿ると最終的に太平洋を指す始末。陸に居ながら、海に投げ出されたようです。

 「ちょっと道で聞いてくる!」と飛び出した同僚が、息を切らせながら戻ってきて一言「誰もおらん」店も開いてない、コンビニも無い!とバス昇り口で捲し立てる彼女に「思い出せ、ここはどこだ」と宥めると、額に手をやり「そうだ、みんな避難中・・・」。

 ボランティアさんと連絡がついても目印が無く「今どこだ!?」「ここ何処だ?!」と埒があかない会話が続きます。
 河原、河原、河原と呪文のように唱えながら、やっと畑に辿り着きました。

 この日収穫した綿は6kg。Tシャツだと130枚分だそうです。といっても東京ドーム何個分というような表現なので、子供達はリアクションに困っていました。

 お弁当の時間に、同窓会の西山さんが送って下さった沢山のハロウィンのお菓子を子供達に配りました。こちらは田舎なので、ハロウィン認識率がとても低く、黒いパッケージにお化けの絵柄というお菓子の数々にみんな興味津々です。

 「ハロウィンってなにするの?」という子供達の質問に、同僚は「夜、お化けの恰好で町内会をまわってお菓子を集める」という乱暴な回答をしていました。



 「それ、なまはげか?!」「やくどし(厄年)のお父さんがそんなことしてた」(褌で各家庭を回り祝詞をあげてご祝儀を貰う行事の事)「親せきのおねえちゃんが、げんかんでたくさんの人に水ぶっかけられてた」(新婚のお嫁さんへの歓迎の儀)など、不思議とどこか似ている比較民俗学的ディスカッションで、肌寒い河原は爆笑の渦でした。

 作業修了時に、町長から挨拶がありました。「え~除染も計画通りに進んでおり~町人の帰還準備も準備万端で~」とその時、「あっ さかなだ!」子供が指差した先には、おなかを半分見せながら流れ着いた魚が・・・
 一同沈黙。



 帰りのバスの中では、ハロウィン訪問時の予行練習が行われました。
 「よるおそく、いたずらしては いけないよ」これでは、道端の標識です。
 「ちがうよー!よるおそく、おかしを食べなきゃいられない」「ああそれ、あたしだ」とお母さん。

 帰路に着き、お迎えに来ていたお父さんに駆け寄った女の子が、興奮して報告していました。
 「パパ、あのね、えーっと、ひとがいなくて、草ボーボーだったの。バスがまいごになって~おさかながね…」
 真実は、無邪気な会話の中に伝えられていくのです。

 こちらは朝晩すっかり冷え込んできて、ファンヒーターがよく売れています。もう11月、師走はすぐそこですね。皆様どうかお体大切にお過ごしください。

いわきにて 文化情報12期生 吉田 裕美


  2015年末のごあいさつ、そしていわきの子供たちの年賀状







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