CITS  NewsLetter  

Forum on Creation of Information Technology Society NEWS 2002/4


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IT社会創造研究会                        NO 04    2002.12.31
ニューズレター                            IT社会創造研究会事務局
                                     編集・発行 橋本信彦 三浦 悟 
  
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2002年 4号 目次
              
* 三浦 悟 :   IT社会の創造に向けて(4)          
* 橋本 信彦   学問の領域
* 橋本 信彦:   本の紹介:  「インターネット術語集U」
* 橋本 信彦   未来のパンセ 1〜5
* ■ 原稿の募集
* ■ お知らせ     
* ■ 編集後記


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               IT社会創造に向けて(4)
                                                 三浦 悟

 12月に入って直ぐに、練馬文化センターで日本大学芸術学部音楽学科の定期演
奏会があり、ベートーベンの第9を聴いた。粗いが若々しい力強い演奏だった。
 この夜もそうだったが、私は第9を聴くたびに4楽章でバリトンが歌い出すといつも
ほっとする。指揮者のタクトに従い、ベートーベンのスコアに書き込まれた音符を各楽
器群が一糸乱れず引き出していくわけだが、4楽章に入って突然歌声が響き渡ると、こ
れまでの機械的なものではないまさに肉声というか人の温もりを感じることの喜びに
浸ることができる。

 音楽のことを語るのが目的で無いので、細かいことは抜きにして、この楽曲を聴くた
びに感ずることを簡単に言ってしまうと上述のようになる。音楽の世界はディジタル化
により、小型の再生装置さえあれば、多くの曲を持ち歩けるようになった。実に便利で
あり、家で聴く余裕が少なくなった分、外出先でも気軽に聴けるのが大変ありがたい。
しかし、こんなに急速に技術が発達した今でも充足感は無く、アナログのレコードや
生の演奏に惹かれる。これらのことに折り合いをつけているのは、その時、その時の
目的にあわせて使い分けが出来ているからだ

 話は飛躍するが、最近、新宿で地下鉄を降りたら、改札の外に伝言板があるのを見
つけて嬉しくなった。携帯電話の利用者が増え、メールや電話で連絡がつけやすくなっ
たにもかかわらず、こんなものがまだ残っていた。都会には不要になったと思っていた
ものが残っている驚きと、メールにはない温もりのメッセージが必要とされていることの
再発見が出来たような気がした。高速化する軌道の先にも人と人をつなぐ古風だが最
も親しみやすい道具があった。

 IT社会にも人の温もりがなければならないと思っている。高度かつ高機能のハードで整
備された環境があっても、人間そのものの存在感が無ければIT社会の意味が無くなると
考えている。IT社会を創造するにあたって、ハードウエアやそれを動かすソフトウエア技
術は欠かすことが出来ない。しかし、これらに振り回されると特定の人にとっては望ましい
かもしれないが、本来これらを享受すべき不特定の人にとっては望ましい社会は実現で
きない。人の温もりが備わった真のIT社会創造のためにはどのようなプロセスで社会を構
築するのか(場合によれば創りかえていくのか)を議論することで、IT社会創造の糸口に
なるもと考えている。

 さて、これまでIT社会創造に向けて、思いつくままに幾つかのことを述べてきた。残念な
がらすべてが中途半端で言葉足らずに終わっていることに気づいた。本当はまだいろい
ろ述べるべきことがあるが、ここでひと括りとしたい。

 次回からはIT社会創造のために具体的にどのようなことをやっていくべきか、これまで
の言葉足らずを補いながら話を進めることとする。

                                        
    

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               学問の領域
                                                  橋本信彦

 「情報」という言語に、いささかの疑問を最近持ち始めました。現在ある、いくつかの
学問領域の中では、それぞれに「情報」は定義付けられています。ただしそれは際限な
く恣意的です。つまり専門的学問領域で、各々の「情報」は、単独でのみ解釈可能とな
りつつある。そのように感じるのです。

 私の研究テーマは大きく分けると社会学に入ります。この学問領域は、それこそ裾野
の大きさでは他の学問領域からは抜きん出たものがあるように思われます。もちろんこ
れも解釈次第です。さて、その社会学の先駆者はコント(【Auguste Comte】フランスの
哲学者)といわれています。ではそれまでの学問領域には社会学はなかったのでしょうか、
ないとはいえませんね。どのような学問にも、その萌芽はそれ以前にかならずあるものです。

 しかしながら私達が社会学と呼ぶ、つまり現在のような理論枠組み体系が出来あがっ
たのは20世紀初頭以降、わずか100年程度の経過です。このウエーバー(ウェーバー
【Max Weber】ドイツの社会学者・経済学者。)ら近代社会学の創始者たちは、彼らがそれ
ぞれの専門的学問領域において、その範囲内では表明できない社会現象、あるいは単独
では理論的には説明できない社会問題が、国家を超えた規模で発生し始めたことに対し、
それぞれの学問領域(宗教学・法学・政治学等)を超えた議論を行い、そこで得た結論、
もちろんそれは、社会を大きく捉えるといった意味での結論で、つまり社会を理解する学
問として社会学が出てきたものと考えられるのです。もちろんそこには前提として、大きく変
動する近代社会があった訳なのですが、ここでは詳述いたしません。

 想像を超えた社会変動を、今私達は、経験し始めています。ここで最も必要なのは、専
門的な学問領域からさらに、視座を上げた、新しい一般理論(グランドセオリー)としての、
学際的な新しい社会学であると考えています。誤解されないように付け加えるとするなら、
それは共通の理解の場とての、つまり各専門領域での考察の前提として必要な基礎理論
としての存在であり、けっして、分化して研究される個々の学問を否定するものではありま
せん。

 ただし閉ざされた環境で行われる、重箱の隅をつつくような研究は、多くの論文を書き
上げることは出来ても、それ自体、個人の学者としての生き残りの為のアドバンテージとし
て有用でも、社会を知り、社会の為にとする観点からは、遠いものがあると考えます。

 ダイナミックに変動し始めた私達のこの社会は、一方では社会そのものが複雑系理論
からはみ出し、システム要因を反対に単純化しつつあるという見方もできます。ご存知のよ
うに、システムとは、経験とその結果によって行動を規定するループの中で、単純に規定
できる訳では有りません。環境の変数(多種多様な)がそこには含まれます。ここでいう単
純化とは、その環境が変わるわけではありません。変数を、数値として簡素化できるシス
テムができつつあると考えるのです。それによって、要因としての複雑さは変わらなくとも、
いえ、もっと増えようとも、社会環境の変動の数値を簡素化することで、システムそのもの
を単純化できると考えられるからです。

 話を戻します。技術も、環境も、人々の意識も複雑に相関して変動する現在、学問の領
域も過去のままで規定されるべきではないでしょう。いかがでしょうか、そろそろ既存の学
問領域の垣根を取り払い、研究テーマに即して学問が新たに編制されるという方法を考
えては。

                                       
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本の紹介        橋本信彦 

インターネット術語集U」 岩波新書 著者矢野直明 発行者岩波書店 2002/11/20発行
ISBN 4-00-430814-3   

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本書は著者の前著(「インターネット術語集」)に続く続編です。IT技術の進展により、その術語
も大きく変化してきています。もともと(ムーアの法則)で知られるようにコンピューターの能力
(本来は半導体チップの集積度の推移)は1.5年で倍になると言われ、その能力向上の推移が
社会に大きな変化と動揺を与えています。なぜ動揺なのでしょう、それは「意味不明の術語に翻
弄される個人の存在があるから」こう指摘することは大袈裟でしょうか。

本号で三浦氏が指摘するように、技術の進歩をただ享受するだけでは、その技術に振り回され
るだけの結論につながるでしょう。基礎的な最低限の知識は、研究目的や専攻の違いを超えて
21世紀社会を生きる人間としての必要なリテラシーでもあるようです。本書では最新の術語が
非常にわかりやすく説明されています。そしてそこには、専門化ではない一編集者の、努力と汗
が隠されているようにも感じます。                             


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                    未来のパンセ

                                               橋本信彦

21世紀IT社会、最終的にはポスト産業時代におけるメディア文化や大衆社会現象の理解を
深める為に、20世紀の構造主義を批判的に分析するところまで書き進めたいとかんがえて
います。

未来のパンセ1

未来のパンセ2

未来のパンセ3

未来のパンセ4

未来のパンセ5

☆「未来のパンセ3」までは、大学院電子マガジン各号の目次より「未来のパンセ」を選んでください。

 

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■ お知らせ

  日本国際情報学会の動向

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■ 原稿の募集

次号の原稿を早々と募集いたします。会員の皆様・会員ではないが、近々に会員になってもいい
ぞと考えておられる人・当分会員にはならないが、いつもこの研究会を気にしているぞ・・・・という皆
様・・どしどしお願いいたします。ぜひ原稿をお送り下さい。

提出方法は下記で確認をお願い申し上げます。
 http://atlantic.gssc.nihon-u.ac.jp/~cits/newslett.htm

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■ 編集後記

 発足から半年「反省の記」は電子マガジンに記載しましたが、反省はその他にもありそうです。
いろいろな意味で力不足を痛感しています。しかしながら、反省の中でうなだれているだけでは
進歩がありませんね。気を取り直し、来年は会誌の充実を目標にしました。それはとりもなおさ
ず研究の充実でもあるからです。ぜひご期待ください。(は)                  

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このニューズレターへのご意見ご要望は、下記事務局までお願いいたします。
事務局→   2001i05@gssc.nihon-u.ac.jp

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